郵便料金値上げはいつから?企業への影響と取るべき対策とは

公開日:2024.05.17 | 更新日:2024.09.20
郵便料金値上げはいつから?企業への影響と取るべき対策とは

郵便料金の料金体系はどう変わる?

2024年10月から郵便料金が値上げされる

2024年10月、約30年ぶりに郵便料金が改訂されます。

通常のはがきや手紙などの第一種・第二種郵便物の料金は政府に届け出が必要となっており、25g以下の定形郵便物、郵便書簡、通常葉書の料金の額は郵便法の関連省令で上限料金を定めているため、改正省令が施行されることで料金改定が可能になります。2024年3月に総務省で郵便料金の引き上げ案が承認され2024年6月に 25g 以下の定形郵便物の上限額を定めている郵便法施行規則の規定が改正されたことで、日本郵便は2024年10月に値上げをすることが確定しました。

消費税の引き上げ以外での料金改定は1994年以来となり、郵便物を多く発送している企業では郵送経費への影響が大きくなると想定されます。

郵便料金の値上げは約30%!

2024年10月~の値上げ幅は約30%となります。定形郵便物は50gまでの重量区分が統合されるほか、レターパックについても値上げの対象となっています。

旧料額の通常はがき・レターパック封筒は、新料金との差額分の郵便切手を貼付すると値上げ後も利用ができます。

9/30まで 引き上げ幅 10/1以降
はがき 63円 31%UP
85円
25g以下の定形郵便物 84円 35%UP
110円
※重量区分統合
50g以下の定形郵便物 94円 17%UP
レターパックライト 320円 34%UP
430円
レターパックプラス 520円 15%UP
600円

値上げ対象郵便物の種類と価格早見表

種類 重量 9/30まで 10/1以降
定形郵便物 25g以内 84円 110円
50g以内 94円
通常はがき 63円 85円
定形外郵便物
規格内
50g以内 120円 140円
100g以内 140円 180円
150g以内 210円 270円
250g以内 250円 320円
500g以内 390円 510円
1kg以内 580円 750円
速達 250g以内 260円 300円
1kg以内 350円 400円
4kg以内 600円 690円
特定記録郵便 160円 210円
一般書留および現金書留 480円
簡易書留 350円
レターパックプラス 520円 600円
レターパックライト 370円 430円
スマートレター 180円 210円

 値上げの背景

郵便物数は2013年度から2022年度にかけて約23%減少しており、144億通まで減っています。

引受郵便物数の推移

郵便については郵便法・郵便法施行規則等により、ユニバーサルサービスの提供が義務付けられています。郵便物数は減少する一方で、日本郵政では人件費や物価高によるコストが増えていることが今回の値上げの背景となっており、日本郵便では「郵便サービスの安定的な提供を維持していくため」としています。

郵便料金の値上げがビジネスに与える影響とは

企業では、ダイレクトメールの送付、注文書・請求書・契約書の送付、営業・販促等で利用するカタログの配送、販促ギフトの配送、謝礼の送付など、業界・業種・職種問わず、郵便物を利用していることが多いです。そのため、今回の郵便料金の値上げは各部署の経費へ影響します。

郵送料金は全体としても約15~30%上昇しているため、物流コストの上昇により経費も同程度増加する見込みとなります。

郵便料金値上げへの対策方法

経費の増加を避けるためにはどのような対策が可能でしょうか。

対策としては今まで郵送していたものをデジタル化することとなります。デジタル化により郵便料金を削減できるほか、紙で送付する場合にかかってくる印刷費も削減することができます。

具体的にどのようにデジタル化をしていくのが良いか、よくある郵便を利用しているシーンをもとにご紹介します。

 

ダイレクトメールの送付

ダイレクトメールの送付は通数も多く、今回の値上げは経費への影響が特に大きいと考えられます。例えば、1000通のダイレクトメールを郵送していた場合、1,000通×84円=84,000円だったところ、10月以降は1,000通×110円=110,000円となります。今までと同じ通数の送付でも26,000円の経費増加になり、通数が多ければ多いほど影響は大きくなります。

通数例 単価 合計金額 増加金額
1,000通 110円
(※旧単価84円)
110,000円 +26,000円(旧合計金額:84,000円)
3,000通 330,000円 +78,000円(旧合計金額:252,000円)
5,000通 550,000円 +130,000円(旧合計金額:420,000円)
7,000通 770,000円 +182,000円(旧合計金額:588,000円)

一方、ダイレクトメールを郵送ではなくメール配信サービスを利用して送る場合、クラウド型メール配信システムを選ぶと、月額では1万円程度で利用できるケースもあります。初期費用などが掛かってくる場合もあるほか、配信通数に合わせた課金形式のプランもあるため十分に比較検討する必要はありますが、定期的にダイレクトメールを送っている場合は経費削減につながるかもしれません。

規模や頻度により郵送・デジタル化どちらのほうが良いか検討する、もしくはシーンに応じて使い分ける形で併用するのも良いでしょう。

 

注文書・請求書・契約書の送付

注文書・請求書・契約書は、リモートワークやペーパーレス化の推進に加え、電子帳簿保存法の改正により、電子化が進んでいます。特に電子帳簿保存法の改正では、電子取引されたデータは紙で保存ができなくなったため、電子発行システムなどを導入する企業も増えました。

郵送料金が影響してくるのは紙のみでの取引のケースとなりますが、規模感によってはこのタイミングで電子化することで、経費削減につながる可能性もあるでしょう。注文書・請求書・契約書はWord・Excelなどの一般的なソフトウエアを利用することも可能ですが、電子帳簿保存法を踏まえると、電子化ツールの導入は業務効率化にもつながり、郵送からの切り替えるメリットがあると考えられます。

 

 カタログの配送

商品・製品について案内をするためのサービスカタログの冊子も郵送している場合には大きな影響を受けます。電子化の方法としてはPDF化、デジタルカタログのサービスを利用するなどの手法があります。電子化によりカタログの印刷や郵送の必要がなくなるため、コスト削減につながります。

郵送では手元に届くまで時間がかかっていたものも、電子化することによりスピーディーに商談を行うことができるようになります。また、価格の変更や商品の取り下げ等によりカタログが変更となる際、回収や再送が不要となるほか、デジタル化することで音声や動画を差し込んで紹介することもできます。コスト削減以外にもメリットは多いため、この機会に電子化を検討するのも良いでしょう。

 

 販促ギフトの配送・謝礼の送付

販促での特典や謝礼などのギフトでも、郵送を利用していることが多いのではないでしょうか。ギフトカードや商品券、商品などをお客様に贈る際の郵送コストは郵便料金の値上げにより大きく影響を受けます。ギフトの郵送費が上がることで、今までの予算ではギフト自体に掛けられるコストが減ってしまいます。

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